[雑記]
文章において、中々感動させる名台詞というのは場面や情景のその上になりたつものなのか、世の中に名台詞は数あれど、俺を感動させ打ち震えさせ、ば、莫迦なッ! と、思わせ心からの驚愕と驚嘆とを味わわせて冷静さを失わせるだけの台詞というとそうそうあるものではなく。 そんなことを、会社帰りの暇つぶしに買った漫画の文庫判を読みながら、埒もなく日本の将来に思いを馳せつつ年金で老後を過ごす寂しげな老人のような気持ちで考えてみたり。
漫画の文庫で読みつづけていた聖闘士聖矢が15巻で遂に完結。ハーデス編は意外にあっさりと終わったねえ、とはいうものの、中々派手な戦いが! その中でも天雄星ガルーダのアイアコスと不死鳥星座一輝との戦い。 冥界三巨頭という仰々しいというか仰々しいだけの接頭語を持つアイアコス。必殺技ガルーダフラップは相手を天空高く、それこそ空に輝く星のようにキラン! てな表現をされるというか実際されてるだろというくらい高く飛ばし、
『三秒後にここに落ちてくる!』
と、地面に足で×を描くと本当にそこに落ちてくるという大技。投げて落とすだけ! と換言することも可能だが、そこはそれ、冥界三巨頭のアイアコス様の技ですので、文句言っちゃいけない。
地面にクレーター状のものができる程の衝撃にも関らず生きている一輝に、今一度同じ技を行なうアイアコス。だが、落ちてこない!? 『翼が生えて逃げたわけでもあるまい……』などと驚くアイアコスに、時間差で落ちて来た一輝の攻撃がヒット。
倒れたアイアコスに一輝は云う。
『聖闘士に同じ技は二度と通じん!』
きっぱりと、はっきりと。更に駄目押しで。
『今やこれは常識ッ!』
す、すげえ……! どうやって技を破ったとかそういった一切の解説、例えるならば世の中の流れにおいて絶対無比の因果律、即ち原因があって結果があるという世の中の絶対破れぬ黄金律を──その原因をたった一言で片づけ反論を許さないすごい破壊力、それこそ複眼で世の中を見た時のようにクラクラとシビレル台詞! 俺の小宇宙もちょっと萌えちゃいそうだッ!?
……Good Bye!
|