Azshara
Azsharaは、次のような名でも知られている──”人々の大切なるもの”(Cherished Heart of the People)、”月の娘御”(Daughter of the Moon)、”生命の大輪”(Flower of Life)、”月華”(Flower of the Moon)、”我らの栄華”(Glory of Our People)、”彼のひとの名誉”(Her Glory)、”真なる光芒”(Light of Lights)、”月光”(Light of the Moon)、”幾千の月の光”(Light of a Thousand Moons)、”月の輝き”(Radiance of the Moon)、”完璧なる容貌”(Vision of Perfection)。

Azshara女王は”大分断”(Great Sundering)以前のNight Elfでは希少な証とされていた金色の瞳を持って生まれた。この金色の瞳は、将来偉大な存在になる兆候であると考えられていた。そして、それを体現するかの如くAzsharaはNight Elfの歴史の中でも最も愛される君主となり、そして最後の君主となった。Azsharaの統治によって”古代戦争”(War of the Ancients)と”大分断”が起こり、その後のNight Elfの社会は一変せざるを得なくなった。

▼力を求めて – In Search of Ultimate Power
Azsharaは強い意志と才知と比肩する者無き美貌の他に、殆どいかなるNight Elfよりも遥かに大きな魔法の潜在的な能力を有していた。Highbornの一人として、そして王位継承者の唯一の存在として、Azsharaは”永遠の泉”(Well of Eternity)に魅惑されていた。Azsharaは戴冠後、権力をそのために用いた。”泉”の岸辺に豪奢な宮殿の建設を命じたのだ。

Azshara女王の歓心を買うため、貴族たちはNight Elfの首都を女王の名の元に新たに名づけることを提案した。Azsharaは丁重にそれを受け入れ、激しい議論の後に首都の名前はZin-Azshari──”Azsharaの栄光”へと変えられた。Night Elfたちは新たな首都の名前を祝った。退廃的なHighbornを信用しなかったのに対して、Azsharaに対しては親愛の情を抱いていた。Azsharaがこのように魅力的であったことから、人々は彼女もまたHighbornの一員であるとは考えていなかった。

宮殿が完成すると、Azsharaとその廷臣たちは新たな住居へと移った。宮殿に住むHighbornたちの多くは”泉”の研究に心血を注いだ。熱心な研究によって、Highbornたちは”泉”の深部より制御不能な勢いで魔法の力を引き出し、混沌としたエネルギーを強力な呪文へと導いた。これによって”泉”は混乱状態に陥った。闇の嵐が”泉”の水面上に発生し、水面全てが漆黒の闇に覆われた

▼栄華の夢想 – Dreams of Glory
Burning Legionの創造主であるSargerasは、Highbornの引き起こした強力な魔法の存在を感じ取り、Twisting Netherより彼らと接触しようと試みた。そして、Sargerasは苦労せずにAzsharaを含めてHighbornたち全てを転心させ、自らの意思に従わせた。Highbornたちは他の全ての物事を放棄し、AzerothへとLegionたちを導くことに力を注いだ。魅惑された貴族たちの目的は、Sargeras自身がAzerothの世界へと降臨することができるよう、Twisting NetherからAzerothへと導くためのポータルを広げ、安定させることだった。Sargerasは世界を楽園へと再構築することを約束していた。

熱に浮かされたかのような働きによって、HighbornはDemonの召還を行った。”泉”を取り巻く嵐が更に激しさを増し、怯えたNight Elfの人々が女王からの説明を求めて宮殿の外に集まった。宮殿の門が開くと、そこからはDemonの軍が溢れ出しZin-Azshariの市民たちを虐殺し始めた。宮殿の中では、Legionに仕えるHighbornだけが殺されぬ見逃され、Sargerasの奴隷となった宮殿警護兵たちは大虐殺を見ても彼らを助けようとはしなかった。

Azshara女王はSargerasを最高の伴侶であると信じており、彼がAzerothへと降臨した時にそれが現実のものとなると確信していた。無為な時が過ぎるに連れてAzsharaは苛立ちを増し、”永遠の泉”のエネルギーをHighbornとLegion以外が使用できないように限定することを提案した。Azshara女王の筆頭相談役であったLord Xaviusは、女王の考えを実行するためにHighbornとLegionたちを働かせて”泉”の周囲に魔法の障壁を築いた。

▼妨害された計画 – Thwarted Plans
突如として”泉”の力から切り離されたことで、Night Elfは大惨事と呼ぶべき事が起こっていることを悟った。Zin-Azshariからの難民たちがDemonの侵略の知らせをBlack Rook Holdに住まうLord Kur’talos Ravencrestへと運んだ。Kur’talosは自らの軍に難民となった者の中から戦える者たちを加えて、Zin-Azshariへと進軍した。”古代戦争”の始まりであった。

幾人かの仲間の助力を得て、Druid、Malfurion Stormrageは障壁の破壊に成功し、てXaviusを殺した。AzsharaはXaviusの死を受けて、Captain Varo’thenを新たな相談役とLegionとの連絡役に任命した。Legionはふたつに分けられており、多くのDemonはTwisting Netherのポータルを安定させるのを手伝うのではなく戦場で戦っていた。女王はSargerasの降臨を阻害するNight Elfの防衛軍の指導者であるKur’talosの強力な指導力を苦々しく思っていた。AzsharaはVaro’thenにKur’talosを排除するように命じ、Varo’thenは命令に応えてこの勇敢な貴族を暗殺しようとした。

▼Naga種族の誕生 – Birth of the Naga
Legionのために行動するAzsharaの努力にも関わらず、SargerasがAzerothへと降臨する前にTwisting Netherからのポータルは完全に閉じられた。ポータルの閉鎖はDemonの侵略からAzerothを救うこととなったが、”永遠の泉”は更なる魔法的な負荷に耐えることができず、崩壊し始めた。巨大な鉄槌で打たれたかのように、Zin?Azshariと”泉”は海底へ向かって崩壊した。”泉”が完全に崩壊し消滅する前に、惑星の中心核まで穴が穿たれた。

古代の大陸Kalimdorはばらばらに引き裂かれ、海水が新たな陸地の狭間へと流れ込んだ。女王やその侍女、警護兵、多くのHighbornたちが襲ってきた水に飲み込まれた。その者たちは溺死しなかったものの、多くの者が呪われてNagaへと変貌した。

Azsharaもまた変貌したのか? 一万年を以上彼女はどのようにして生き延びたのか? このような質問はまったくといってよい程されることは無い。Nagaを除いて他の殆どの者たちはAzsharaの物語を知らず、そして彼女を思い出す者たちは一様に既に死んでいると考えている。なんにせよ、Naga種族はAzsharaをDemi-Godとして信奉している。

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