Diablo III! ということでなんとなし個人的に盛り上がっているという程ではないけれども、Diablo IIとかってどういう話だっけ? とか思ったのをきっかけにLoreを翻訳してみたりみなかったり。Diablo IIのディスクは引越しの時に捨てちゃった覚えがあるので、もうプレイできないんですよねえ。

Diablo III Title

■Deckard Cain’s Journal
15th day of Jerharan,
1265 Anno Kehjistani

あの信じがたき出来事を、私は書き記しておかねばならぬ。どのように考え、悩み、苦悩しようとも、起こった事実は最早変えようもないのだから。我が君Leoric王は、子息Albrecht様の誘拐とWestmarchへの進軍といった立て続けの出来事によって、狂気に足を踏み入れてしまわれた。今、言葉に出せずに肌に感ぜられるモノがある。それを一言で云うのならば──恐怖であろうか。

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1st day of Damhar,
1265 Anno Kehjistani

果たして古き御伽噺は真実であったというのだろうか? 母に寝物語に聞かされた、勇敢なるHoradrimと煉獄の主(the Lord of the Burning Hells)の物語は真実だとでも云うのだろうか?

私は彼らの英雄的な行為と勇敢さに心打たれたものであった。謎めいたTal Rashaに率いられた神秘なるHoradrim……私も彼らと共にあったのなら、と、想像力をかきたてられたものであった。私は世界を旅しあらゆる悪と戦う”Horadrimに連なる者”(Last of the Horadrim)として意気盛んであった。なんとも、若さ故のことであったか。

さて、これらの物語の根底には事実が存在するというのだろうか? だが、確かにそうであったと全ての証拠が示している。しかし、私の知識、考えを真剣に受け止める者が果たして居るのだろうか?

私たちの街の地下に闇の存在が埋まっているのだろうか? 若き日には鮮明に覚えていたあの物語は、年を取るに連れ段々と忘れてしまったのだ。


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12th day of Damhar,
1265 Anno Kehjistani

愚か者めが、この私の、なんと愚かなことか。私が直ぐにでも行動を起こしていたら、気づいたことをはっきりと口にだしてさえいれば死なずに済んだ者たちがおり、Farnhamは今あるように酒に逃避する大酒飲みの酔いどれなどにならなかったであろう。村人たちはLazarus──誰もが彼のことを心正しき大司教であると考えていた──によって行方不明となった国王の息子の捜索に借り出され、そしてその村人たちは云うもおぞましい最後を遂げることとなった。Lazarusは街に降って湧いた災厄の具現者であったろうか、それとも意図せずして引き起こされた出来事であったのだろうか?

夜は長い。私は座り、大聖堂から生じ始めた何かを聞き取り、そして往くべき道筋を、やるべきことを見据える。私は書を記さねばならぬ。これこそが、私たちを苦しめる悪を打ち破るための答えであるに違いないのだから。

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20th day of Damhar,
1265 Anno Kehjistani

新たな恐怖によって街の人々が逃げ出した。居るのは、Griswold、Pepin、Ogden、Farnham、”不運なる”Wirt、それに”公正なる”Gillian……残された者たちは数少ない。しかし、逃げ出した者だけでなく、新たに訪れた者もいる。Adria……新たに来た彼女のことをある者は公然と魔女とさえ呼ぶが、私は確かなことを何一つ知らない。確かに彼女は私の知らない神秘の知識に長けている。彼女は何故この最悪な時期にここへと訪れたのだろうか? なんにせよ、私は彼女にも何か意図があると感じているのだ。

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27th day of Damhar,
1265 Anno Kehjistani

毎夜、夜明けごとに新たな多くの冒険者が訪れて来ている。しかし、未だ英雄と呼ばれる程の者はいない。私は答えを見つけるために古い書物を探し続けている。私は彼ら冒険者のことをもっと真剣に考え、軽く扱うべきではなかった!

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1st day of Ratham,
1265 Anno Kehjistani

多くの冒険者の中に、一層際立った者が一人いた。寡黙であり冷静で、強奪と略奪にのみ興味を持つ周りの者たちを落ち着かなくさせる雰囲気をまとっていた。私はこの英雄を、この放浪者を知っているように感じた。私は自分の過去を明かし、彼に私の知る限りの知識を与えた。私はそれが充分であることを祈っている。

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21st day of Ratham,
1265 Anno Kehjistani

私は今起こっている出来事の真の中心たる存在を推測した。しかし、それを認めるには勇気が必要であった。だが、否定した所で意味を成さない。私たちを悩ませている根源は、”恐怖の魔王”(Dark Lord of Terror)Diabloに他ならない。

Lazarusの邪悪な杖は私の疑惑を確信に変えた。彼がAlbrecht様を誘拐し、Diabloを太古の牢獄から解放した者であることは疑い得ない。彼が更なる裏切りを計画しているだろうか? 幸いなことに、私たちの英雄がLazarusの生をそう長いものとはしないだろう。

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6th day of Esunar,
1265 Anno Kehjistani

幼子が泣き叫び死す夢を視た。声は大聖堂の地下から響いて窓を粉々に砕き割った。眼が覚めると、それは夢ではなくDiabloによって拷問にかけられ実際に死した者の悲鳴であることを悟った。あの叫びを聞いた後、再び眠りに落ちることは到底できなかった。私は外に出て、戦士の帰りを待ちわびた。やがて戦士は自らの血と打ち倒した敵の血に塗れて戻って来た。戦士が生きて帰り、そして恐るべき出来事が最早過去のものとなったことに安堵した。しかし、私の心にはひとつの影がさしている。私が遺され受け継いだものを軽く扱ったりしなければ、この悲劇自体避けられた筈ではなかったのか? と。

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18th Day of Esunar,
1265 Anno Kehjistani

私は今までTristramがこのように喜びで満ちているのを見た事が無かった。私が誇りを持って”友”と呼ぶべき英雄は、街の静かな場所に佇みこれらの祝典に参加することを謙虚に断った。私は大聖堂の地下で受けた傷跡は、皮膚に受けた傷よりもその下にこそ深く存在して彼を変えてしまったのではないかと考えた。私は彼に助言を与えたが、彼は耳を貸そうとはしなかった。おそらく、時間のみが彼を救う唯一のものであるのかも知れない。

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20th Day of Esunar,
1265 Anno Kehjistani

私には何も視えていなかったというのだろうか? 私は友人の鬱屈が、あの恐怖の出来事に対する自然な反応であると考えていたのだ。まさか、どうすれば彼が自身の内にDiabloを、その存在を秘めている見極めることができたというのだろう? ”恐怖の支配者”(the Lord of Terror)に対する勝利の後、彼は度々悲鳴を上げては目覚めていた。何週間か後に、彼は夜の闇へと姿を消した。おそらく、彼は東方へと向かったのだろう。

彼が去ってからすぐに、邪悪なる悪魔の大群が街を攻めて来た。悪魔たちは女も、子供も、あらゆるものに平等に容赦なく振舞い、墓所に平穏に眠ることすら許されなかった。死んだ者たちは安息を奪われ、不死なる存在として蘇ったのだ。彼がDiabloとの戦いの間、友と呼んでいた誠実な鍛冶師Griswoldは、人間の肉を嗜好する悪魔じみた獣へと変貌させられ、おおよそ人間として考えられる最悪の運命をたどった。

これは単なる狂気以上のものであろう。”恐怖の支配者”による憑依以外の何者でもない。この愚かな私は、彼がDiabloの悪徳を抑えることができると考えていたのだ。だがその過信は余りに大きな対価を払うこととなった。

私は煉獄と絶叫の狭間に囚われ、終末の時を座して待ち続けている。

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2nd Day of Kathon,
1266 Anno Kehjistani

最早希望を捨て、避けられぬ運命を待ち受けるより他無いと考えていたにも関わらず、その不可能な出来事が起きた。私は囚われの身から救われたのだ。この新たな英雄は、私が”知られざる放浪者”(the Dark Wonderer)と呼ぶ者が引き起こした邪悪と戦うためにKhandurasへと訪れたというのだ。彼は以前にある仕事を受けたが、東方への道は邪悪な女性型悪魔Andarielによって封鎖され、打ち倒さねば行けないとのことだった。私の持つ古代の知識が彼の手助けになるかも知れないと考え、同行することを決意した。

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28th Day of Kathon,
1266 Anno Kehjistani

砂漠の旅が終わりLut Gholeinへとたどり着いたことで、私たちはやっと安堵することができた。口に出して誰かに話すことは無いが、Diabloに対する恐怖は私の中に確かに刻まれているのだ。夜になると、かつて起こった村人の大虐殺と地下で行われた邪悪なる行為の幻視が私の眼を覚ますのだ。私は再びそのようなことが起きないことを祈っている。けれども、私はこの悪夢かは逃れられないことを判っている。

かつての友人の所在を探すため町の人たちと会話を交わしたが、情報は少なかった。しかしそれでも手がかりは掴むことができ、Mariusという名の彼の仲間を見つけることができた。彼がどのような役回りとなるのか、それだけを考えている。

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11th Day of Solmoneth,
1266 Anno Kehjistani

私たちは間に合わなかった。私たちはTal Rashaの墓所に”知られざる放浪者”の痕跡を追ったものの、悪魔Durielと邂逅することとなった。そして、BaalのSoulstoneはそこには無かった。Baalが再び自由の身となった以上、彼の兄弟Mephistoを解放するためにTravincalへと向かったとしか考えられなかった。これは絶対に阻止せねばならない。

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1st Day of Montaht,
1266 Anno Kehjistani

本日、”恐怖の支配者”から私たちを救うために危険を冒した英雄に何が起こったかを知った。それは、Kurastの周囲に広がる密林で、”知られざる放浪者”の痕跡を発見したのだ。意思の強さと気高さを持つ英雄でさえも”恐怖の支配者”の影響下では、些細なものでしかないという事実に、私は悲しむより他なかった。私はかつて彼であった者のために涙し、そして憐憫を感じているにも関わらず、死と苦痛とを世界の至る場所へと振りまくに至った彼のその傲慢を呪うのだ。

Mephistoの復活は短時間に終わった。これも、私の仲間あってのことである。彼らは私の想像できないくらい恐るべきものを越えてMephistoを打ち倒し、Soulstoneを奪い返した。それと同時に、彼らは”放浪者”が最早人間性を失っており、心身ともにDiabloに支配されているという衝撃的な知らせを持ち帰った。幸いなことに、彼らはDiabloを故郷たる煉獄(Burning Hells)へと戻すことに成功していた。そして、Diabloの存在を終わらせるために煉獄へと向かうという。私に出来ることは、彼らのために祈ることだけである。

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4th Day of Ostara,
1266 Anno Kehjistani

Diabloは倒された。私は長い間この知らせを聞くことだけを望み続けていたにも関わらず、心は喜びを感じなかった。Arreatに悪魔の軍が進軍をしたとの知らせがあったのだ。背後にはBaalがいるのだろう。私たちは潮が引くように北へと向かった。

MephistoとDiabloのSoulstoneはHellforgeにて破壊され、最早私たちを煩わせることはないだろう。後、残るはひとつ。

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2nd Day of Vasan,
1266 Anno Kehjistani

北の寒さは老骨にはこたえる。Baalの軍は全ての道が合流するHarrogathから山を越えて支配圏を維持している。気高さ、力、献身といった仲間たちの行為は、受けるたびに私に新鮮な驚きを与えてくれる。彼らはBaalへとたどり着くために悪魔と雪とに立ち向かっている。裏切りの噂が街に広がっている。今度こそ、私たちは間に合わねばならない。

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10th Day of Vasan,
1266 Anno Kehjistani

私たちは呪われているのだろうか。勝利の瞬間にさえ、敗北と向き合わねばならないとは。英雄たちがBaalを倒したにも関わらず、天使Tyraelが最悪の知らせを届けたのだ。Worldstoneと呼ばれる偉大なる力を秘めた石が山頂に秘密裏に置かれ、そしてそれはBaalによって既に穢されていた。Tyraelは、唯一の選択肢がそれを破壊することだけであると考えていた。私はこのWorldstoneについて、如何なる力を秘め如何なる結果が生じるのか僅かしか知りえていない。そして、私たちの行動が結果として知られざる傷跡を世界に残すかも知れないということを私は心配している。私はただ、Tyraelの選択が正しいものであることを祈るばかりである。

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