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Abd al-Hazir著

多くの人はUmbaru種族のWitch Doctorが伝説であると考えている。しかし、私はこの眼で確かに彼らの戦いを目撃したのだ。そして、実際に見てさえ信じがたいものであった。Witch Doctorは霊薬と火薬によって炎や爆発を起こし、魂を犯して恐るべき精度で相手の心身を疲弊させ打ち倒した。更にWitch Doctorは、敵の肉体を引き裂くべく冥府(the netherworld)よりUndeadを召還し、それらに命令する能力を持っていた。

私が巨大な東の大陸の南端を覆う密集したTorajanの密林深く、Teganzeとして知られている広大な地域に居住する種族を探す目的で旅していた時に、この珍しい光景を見る事ができたのだ。この地域は人里はなれておりこれまで異邦人の目に触れることが無かった。この戦いで見たWitch Doctorと彼の一族──”五つの丘の一族”(the Tribe of the Five Hills)──と親交を得たことは幸運であった。

Lower TeganzeのUmbaruの文化は、文明的な人生を歩んで来た者たちにとっては非情に魅力的に映ると同時に理解し難い。例えば、彼ら”五つの丘の一族”は”七つ石の血族”(Clan of the Seven Stones)や”霞谷の一族”(the Tribe of the Clouded Valley)と共に部族戦争に参加する。しかし、これは儀礼的な問題や征服を意図したものではなかった。私はこの戦争についての話を既に聞いており、勝利者は彼らの文化の中心である生贄となる者を得ると知っていた。そのため、私を迎え入れてくれた彼らに対して控えめにこのことについて尋ねた時、彼らがただ笑みを浮かべたことで自身の安全についてより心配したことは確かなことであった。しかしながら、彼らの文化では英雄的な行為と名誉が重んじられ、戦いで集められた者たちだけが儀式の生贄に値すると考えられているようであった。私にとっては幸いなことに。

私を迎え入れてくれた者たちとの会話の末、彼らは一族をMbwiru Eikurとみなしていることを発見した。それは、乱暴に意訳すれば”形持たざる地”(the Unformed Land)となる(この概念は文化と言語が異なるため、不正確であることを明記しておく)。これは私たちの通常経験する肉体的なものの裏側に覆われた聖なる存在が真実であるとの考えを持っている。彼らの重要な儀式では、下位の物質領域である”形持たざる地”に留まった神々から中心に置かれた生贄へと生命の源が流れ出ると考えられている。
Witch Doctorは繊細にこの”形持たざる地”に感応し、儀式と選ばれし源とハーブとを組み合わせて現実世界を認知する心の訓練を行っている。Witch Doctorは、現実と相互に作用するこの状態を”幽眠状態”(Ghost Trance)と呼んでいる。

生命力と”形持たざる地”に次いで部族の神聖な信念は献身と善行の為に私欲を押さえることである。私たちの文化には縁遠いこの考えは、私が彼らから学び探求すべきことではないかと考えている。

不幸にも、現在の戦争によって引き起こされた出来事から、部族間で激しい構造変革が起こった。私は次に起こるであろうことを察知し、そして何かが起きる前に旅立つことにした。

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第一章 天国と地獄と – OF HEAVEN AND HELL

■大いなる対立 – THE GREAT CONFLICT

世の始まりより、光と闇の軍勢は永遠に争っていた。世に云う、”大いなる対立”(The Great Conflict)である。この勝利者こそが灰燼に帰した世界で全ての創造の権利を得られることとなるのだ。至高天(the High Heaven)の天使(the Angels)たちは整った軍階級を作り上げ、熾天使(Seraphim)の戦士たちは光の側に敵対する者たちに対して神罰と正義の力の宿った剣を振るっ た。天使たちは完全なる自制こそが多元世界に秩序をもたらすものだと信じており、それに対して煉獄(the Burning Hells)の魔なる者たちは、あらゆるものの本質は完全なる混沌であると考えていた。


■罪深き戦役 – The Sin War

“大いなる対立”の余波が定命の領域へと波及したことは、”罪深き戦役”(the Sin War)として知られている。天使と悪魔は自らの姿を変えて人間たちの中に紛れ、密かに人間たちを己の側へと誘った。長きに渡って人間を相手にした結果、 闇の軍勢は小細工よりも腕力によって人間が服従することを知り、恐怖によって人間に隷従を強いた。天使たちは悪魔たちのこのやりようから人間たちを守ろう とした。しかし、天使たちの厳格さや苛烈な罰は、彼らが守ろうとした人間たちも遠ざける結果となった。

時として起こった”罪深き戦役”の激しい戦いは、殆どの場合人間の目に触れることは無かった。しかし、少数の特異な能力を持つものだけが、人々の間 にこの世ならざる存在が闊歩していることに気づいた。彼らは”大いなる対立”のそれぞれの側に立ち、”罪深き戦役”に参戦した。参戦した定命の者である戦 士たちの勇敢な行為は、両者の側からの敬意と、地獄の側からは憎悪をも受けることとなった。低級の悪魔はそれらの人間たちの前に屈服し、定命の命しか持た ぬ存在に跪かねばなら故に彼らを憎悪したのだ。これらの悪魔たちは、やがて人間たちが分不相応な行為によって行き詰ることになるだろうと信じていた。

悪魔たちの嫉妬心は、定命の領域の人間たちに対する激しい暴力を苛烈なものとした。人間たちの中には悪魔たちのこの嫉妬心を知り、それに対抗しよう とする者たちが現れた。その内の一人が”召還者”Horazon(Horazon the Summoner)であった。彼は悪魔を召還すると、自らの意思の赴くままに悪魔を惨殺した。Horazonは兄弟であるBartucと共に Vizjereiとして知られる東方の魔術師集団の一員であった。この神秘の一族は魔道を探求し、何世代にも渡ってその知識を体系化していた。

この知識を利用してHorazonはVizjereiの一員として研鑽を積み狂った目的のためにこの力を使うことができた。地獄に住まう者たちは、 この思い上がった人間に対する復讐を望んだが、Horazonは神秘の聖域へと逃れて魔の手を避けた。Horazonの兄弟であるBartucは闇の側に 加担した。Bartucは強大な力と長い寿命とを与えられて魔族と共に戦い、結局呪われたVizjereiと兄弟であるHorazonとも戦うこととなっ た。Bartucの名は戦いにおける凄まじい犠牲者の数によって知れ渡った。血に対する飢えと欲求が、Bartucの考えと行動の全てに表れた。 Bartucは敵を血を流しその鮮血を浴びることを好み、このことから”鮮血の指揮官”(Warlord of Blood)と呼ばれるようになった。


■暗黒の追放者 – The Dark Exile

偉大なる邪悪の数、地獄の支配者の数こそが七であった。

“苦痛の支配者”(the Lord of Pain) Duriel

“苦悶の乙女”(the Maiden of Anguish) Andariel

“虚言の支配者”(the Lord of Lies) Belial

“罪悪の支配者”(the Lord of Sin) Azmodan

これが偉大なる邪悪の七者の中でも末席からに位置する存在の真の名である。かつて彼ら煉獄においてはそれぞれの領域を絶対的に支配していた。四者が 自らの支配地の中の統治に力を振るい競い合っている間に、七者の中で筆頭に位置する三者は地獄全てに絶対的な支配をもたらした。四者はこの支配に対して更 なる力を求め、計略を練った。この時から、”暗黒の追放者”の伝説が始まる。

“憎悪の支配者”(the Lord of Hated) Mephisto

“破壊の支配者”(the Lord of Destruction) Baal

“恐怖の支配者”(the Lord of Terror) Diablo

彼らこそが力を存分に振るい地獄を統治した偉大なる邪悪の筆頭であった。三兄弟は粗暴な力と狡猾で邪悪な知恵によって四者を支配した。偉大なる邪悪 の筆頭であり最も強大であった三兄弟は、時として起こった光の側の軍との戦いにおいて無数の勝利をもたらした。三兄弟は至高天にまで攻め入ることはなかっ たが、敵からも味方からも同じように恐れられた。

人間たちの進歩による”大いなる対立”の停戦から、三兄弟は定命の者たちの魂の利用に力を注ぎ始めた。三者は人間こそが天界に対する勝利の鍵となる と考え、対立の初期から行って来た戦略から方向転換した。この戦略の変更は、末席の四者に三者の権威に対する疑問を抱かせた。そして、三者とその従者であ る四者の間に深い亀裂を生み出すこととなった。

何も知らぬ四者は、三者が天界との戦いを恐れていると信じ始めた。戦争の中断に失望していたAzmodanとBelialは、地獄の支配権を得る反 逆の機会だと考えた。AzmodanとBelialは勝利のために互いに協定を結んだ。二者は”罪深き戦役”に勝利し、”大いなる対立”を最終戦争として 血塗れた覇権の頂点に上り詰めようと計画していた。そしてついに、地獄全てを巻き込んだ三兄弟に対する反逆が行われた。

三兄弟は暗黒世界のあらゆる魔性と戦い、地獄の軍団の三分の一を滅ぼした。しかし、裏切り者であるAzmodanとBelialとが率いた Horned Death部隊によって打ち負かされた。三兄弟は力を奪われて肉体存在を失い、Azmodanによって永遠に定命の者の領域へと追放された。 Azmodanは三兄弟が人間界で解放されると信じていた。そしてそれにより、天使たちは人間界に余力を割かねばならず、結果として至高天の防備は手薄と なるだろう。三兄弟に忠誠を誓っていた少数の悪魔はAzmodanとBelialの怒りを避け、失われた主を求めて人間界へと逃げた。

地獄の戦火が消えると、AzmodanとBelialはどちらが上位に立つのかを言い争った。二者は互いに向けて武器を取り、約束された協定は灰に消えた。今日に至るまで、地獄に残った者たちはいずれかの支配者の側につき血まみれの内戦に従事している……。


■三兄弟の呪縛

太古の昔、西方の帝国が建国される前に三邪悪として知られる闇の恐るべき存在が人間界に追放された。これらの永遠の存在は世界をさ迷って人々の切望を叶 え、混沌を残し、人々の間に軋轢を起こした。邪悪なる者たちは、父と息子を敵対させ多くの国々で凄惨で無益な戦争を引き起こした。地獄から追放された屈辱 は、彼らに膝を屈せぬ者たち全てにに苦悩と苦痛をもたらさんとする飢餓感を与えていた。これにより、三兄弟は数世紀に渡って極東の国を荒廃させた。

やがて、神秘なる大天使Tyraelによって、定命の者たちの魔術師による秘密の集団が組織された。この魔術師たちの集団は、三邪悪を狩りその行為 を止めるためのものであった。Horadrimとして知られるこの集団は、東方の多様な魔術師の一族の出身者たちで構成されていた。多様な魔法と知識とを 用い、殆ど成功の望みが無いと思われていたにも関わらず、HoradrimはSoulstoneと呼ばれる強力な魔道器(Artifact)の中に三邪悪 の内の二体を捕らえることに成功した。

MephistoとBaalはSoulstoneの中で魂を束縛されたまま荒れ果てた東の砂漠の砂丘の地下に埋められた。憎悪と破壊の力が東方地域 で衰えるに連れ、不安定ながらも平和が訪れ始めた。それでも尚Horadrimは残りの兄弟であるDiabloの捜索の手を緩めなかった。”恐怖の支配者 “を捕らえない限り、人間たちに永遠の平和が訪れることが無いと知っていたためだった。

Horadrimは西方の国全土に広がった恐怖と無秩序を知るとそこへと向かった。大規模な戦いで多くの勇敢な命が失われたものの、”恐怖の支配者 “DiabloはJered Cainに率いられたHoradrimの修道僧たちによってSoulstoneへと捕らえられた。修道僧たちはKhandurasの地にこの呪われた石を 運ぶと、Talsande河近くの人里離れた洞窟の中に埋葬した。HoradrimたちはSoulstoneを守護するために、この洞窟の上に修道院を建 設した。時が経つと、Horadrimは修道院の地下に集団の慰霊者たちを安置する地下墳墓を作り上げた。

更に幾世代かが移り過ぎ、Horadrimの数はゆっくりと減り続けた。やるべき役目も無く、後継者も少数しかいなかったため、強力な集団であった 筈のHoradrimは、知られることも少ないままに消えていった。やがて、Horadrimの修道院も廃墟へと変わった。時が過ぎ、古い修道院の残骸の 周囲に村が広がったが、そこの地下に何が広がっているのかを知る者はいなかった。迷宮の中に燃え脈打つ赤い宝玉があるなど、誰一人として夢想すらしていな かった。

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Abd al-Hazir著

私は、色々な人々や文明、動物の種々を記録するために様々な土地を遠く広く旅した。しかし、Bastion’s Keepの古代の要塞の城壁の上に立った時程驚いたことはなかった。私は神聖なArreat山に住まう、伝説的であり、巨躯であり、冷酷であり、二刀を扱う凶暴なBarbarianたちに直接会うために訪れた。

だが、その代わりに如何なる力によってか引き裂かれた山をこの城壁の上から見ている。この光景は、私には理解も受け入れもし難かった。だが、目の前に広がる光景は現実であり真実であった。一体ここで何が起きたというのだろうか?

年降りた威風堂々とした戦士たちは何処に居るというのだろうか?

かつてBarbarianたちは血に飢えた侵略者であると誤解されていたが、現在ではこの誇り高い人々には気高く長い歴史が存在していることが正しく認識されている。そしてだからこその悲劇が存在する。Barbarianの気高さに触れた人たちは、彼らの文化の中心に位置する”勤行”(vigil)と呼ばれるものを知っている。Barbarianは、Arreat山と神秘の存在の守護を誓い義務としており、もしも偉大なる山に対する義務を怠ったとしたら、彼らは山に埋葬されることを許されず、正真正銘の戦士としての死を与えられることを拒否されるのだ。そして埋葬されなかった者の魂は永遠に葬られることなく土地をさ迷うことになる。

もしもまだ生きたBarbarianが居たとしたら、彼らには絶望しか残されていないだろう。多分これが、Barbarianに似ているという怪物が現れたという噂の源なのであろう。けれど、それは実際には間違っている。その怪物は、単なる獣以外の何者でもないだろう。この故郷だけでは無い破壊が起こったことで、けれども強い信念を持つ素晴らしい種族が卑しくなることなどあり得るだろうか?

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