■創造の時代 - Age of Creation -

 始源、完全なる虚無が存在した。時間も無く空間もない完全なる虚無は、深く深い静寂に包まれた、巨大にして果てのない無そのものであった。この虚無の中に存在するモノがあった──"the Nameless"である。それは全宇宙において信じがたく無限とも云える力を持ち、そして自身の存在だけを知っていた。この広大な場所で、己のみ唯一が存在していることを、問うともなく識っていた。

 虚無の静寂に満ちた広大な場で、この空虚が限界を持っているとしたら何処にあるのかを自身で調査し始めた。虚無の全てを探索した時、異なったなにかを発見した。そしてそこで、それが本当に異なったものであることに気づいた。それは空間と時間の流れが存在する場であった。その場は本当に異なった存在であり、それがそこへと踏み出した時、なにかが起きた。

 畏怖すべく、素晴らしく、恐怖すべく、刺激的な、なにかが。

 その場は時間と空間の要素を持ちあわせていた。the Namelessはこのような場の存在を識らなかった。それがその中に入ると、それはその中で落ち着くことができなかった。そして、限界を知らぬ力がなにも無かった空間を満たすと、それの一部に襲い掛かった。the Namelessは素早く既に識っている場である虚無の中へと退き、空間でなにが起こったのかを調べた。そこは既になにもない空間ではなかった。渦巻くエネルギーと熱とに満たされ、なにもなかった場はthe Namelessの存在によって変化させられていた。新たな領域は彼の一部となり彼によって繕われ、彼が識っているものとは全く異なっていた。エネルギーは衝突しては壊れ、生まれては消えていった。そこは新しい異なった場所となっており、それはthe Namelessは全く予想していないことだった。

 the Namelessは初めて驚きを感じた。そして自らの意思の元、その中で渦巻く混沌を加工し始めた。新たな、そして興味深い要素を形成するための手順を学び取っていた。基本的な要素が形成されると、大小の惑星を創造するためにそれらを使用した。星々とその周りの大量の光が作られた。それは壮大な広さに作用し、宇宙として動き始めた。生命それ自身の種も脈々と鼓動し始めた。それらの星々に、中心として割り当てられているものがあった。それはこれまでの創造に使われたのと同じような少量のエネルギーであった。この渦巻く混沌は、なにかを形成することを必要としていた。

 the Namelessは、新たに作り出したこの領域に、新たな『法(Order)』を創ろうとした。その変更には、素晴らしい仕上げが必要となるであろう。彼はこの混沌の渦を使用することにした。

 そして彼は、the God of Powerを創造した。the Namelessは混沌へと接触するとそれを均等に四分割し、宇宙の形態を分割統治する神々へと形創った。最初に創られRatheと名づけられたそれは、全てのものが物質によって創られるとし、混沌を固体化する仕事を請け負った。Ratheは仕事を行う前に混沌が非常に巨大であることを確認した。それは即ち彼の仕事は非常に膨大であり、世界のあらゆる場所に気を配らねばならないということであった。Ratheは己自身に手を加え、自身を平等に十三分割した。The Ratheたちは管理すべき混沌の内へと入ると、物質の四分の一をEarthと呼ばれるであろう存在へと分割した。そしてEarthの周囲に超越者の眼と星々を配置した。彼らは子供たちの創造を賞賛し、宇宙を監視しつづけるであろう。

 次の存在は、Fennin Roと名づけられ、混沌を形作る仕事を与えられた。FenninはFireと名づけた彼の一部を星々へと振りまき、彼の主の中に光りを灯した。そして、彼は冷え切った混沌に温かさを与え、The Ratheが主のために固体を形創ることを手伝った。

 三番目に決定された要素はWaterであった。これは多くの形状を要するであろう。そのため、この要素を更に三分割した。Tarew MarrはWater、世界に生命を与えるだろう要素の統治者である。E'CiはWaterの固形化、即ちIceとそれがもたらす秩序と保存の統治者である。最後にPovarはSteam、水の活動状態の主である。これら三者はそれぞれの力によって、世界の生命を包み込み恩恵を与えた。

 四番目はXegonyと名づけられた。彼女は物質同士を引き離し、それぞれの場所に固定することを義務とされた。彼女は混沌の一部を引き離すと、それをAirへと創りあげた。これを使い混沌を吹き飛ばし、そしてそれぞれの世界を大気で覆って宇宙の厳冷から護った。

 the Namelessはそれら新たなる創造を見渡すと、悲しみを感じた。それはこの新たな場所で起きた全てを知っていた。それらは彼自身の体験ではなかった。彼が手を伸ばすことができる存在が、彼にこの新たな世界の出来事全てを話したのだ。それは、超越者としての彼を置き残していた。彼は、新たな存在を探求する方法を発見しなくてはならなかった。彼はthe Gods of Powerを招集すると、彼らに彼の新たな世界で体験を共有しあえる手先を創造するように命じた。

 彼は自らの目と手である外縁上の混沌を使い、エネルギーの存在を形創った。彼自身の物質から生まれた意志を持つ存在を創造した。しかし彼ですら全てを把握しきれない存在として、創り上げた。この存在は、世界における彼の目の届かぬ暗渠となるだろう。形作られたそれを通して、彼はこの世界を体験するだろう。

 この存在に彼はTunareと名を付けた。この存在は新たな世界に生命を与える者であるだろう。残ったエネルギーを使い創造し、宇宙を形作ることが可能であろう。Tunareは自己を認識し、そしてLordたちが創り上げた宇宙を見て微笑した。そこは、生命の法を行い、形作られるべき場所であった。それは、宇宙の中心に存在する礎となる世界の物質を形作り、そして要素を創り出し最初の創造を始めた。

 宇宙の中心にある第一の世界では種子が生まれ、それらが植物と単純な動物に成長するのを見ることができた。Tunareは惑星から惑星へと渡り、その創造を広めていった。間もなくTunareは惑星を凝視し、そしてそれらがこれ以上の生命に適していなかったことに気付いた。創造に対する流転が存在しないことに気付いたのだ。Tunareは、解決のためにthe Namelessに懇願した。the Namelessは宇宙をじっと見て、答えを見出した。創造における対極に、破壊が存在しなければならない。

 そこには彼自身の多くが存在したが、それ以上彼は何も置くことができなかった。何故なら、彼が再び宇宙に入ることは、その破壊を意味する。彼は外縁上の混沌を使い、もうひとつの存在『終了』を創造するだろう。生命が変化しつづけるように、Tunareと協調する仕事を行う存在は、まだ整っていなかった。彼は混沌に手を伸ばすとBertoxxulousを創造した。

 Bertoxxulousの受け持つものは死そのものであって、そして全てがTunareの手において再生し得るよう朽ちるであろう。Bertoxxulousは多数存在する世界中に彼の朽ちて行く存在を広めた。伝染病と死とが繁栄した多くの存在に触れ、そして生命の多くが破壊された。新たな生命の場が作られ、そしてサイクルが動き始めた。 即ち、生と死の流転である。

 Tunareが創造し、Bertoxxulousが破壊する。the Namelessはこの新たな秩序を見て考えた。成長と腐敗は遅かった。彼はもっと多くの影響が、彼が望む速度で世界を変えるのに必要となるだろうと気付いた。最後に、創造をよりよくするために更に多くの神々を創造した。積極的なエネルギーと秩序で世界に種子をまくため、the Gods of Lightを創造した。

 Erollisi Marr、the Godess of Love。この存在は、生物が共に歩み永続することを保証するであろう。

 Quellious。この存在は、平和において繁栄し、そして平等な機会を与えられた生物が成功するようにするであろう。

 Rodcet Nife。この存在は、新たな創造に宇宙の生命エネルギーを注ぐであろう。

 Mithaniel Marr。この存在は、生物に共存することを許す、名誉と勇気と行動規範の神である。

 バランスと変化が世界を繁栄させるだろう。世界の成長を続けさせるため、the Gods of Darknessを創造した。

 Innoruuk、God of Hate。この存在は、生物同士が分断され、世界の壁を越えて成功しないことを保証するであろう。

 Rallos Zek、God of War。この存在は、生物をそれぞれの資源のために戦わせ、そして生き残って賞賛され、そして疲れ切らないことを保証するであろう。

 Cazic Thule。この存在は、この世界で生まれた者たちが力を恐れ、そして神々によって与えられたものよりも一層多くを求めないであろうことを保証するであろう。

 このふたつの陣営は、宇宙を自身のものにしようとする。the Lightは秩序を創ろうとし、the Darkは秩序を打ち倒そうとするだろう。程なくして、神々は目的を果たすことに取り付かれた。戦いは激しく、新たな世界の多くがそれらの戦いの末破壊された。the Namelessはそれを見て、更に多くが必要であることに気付いた。常に黒でもなく、白でもない光景が無かった。彼は、新たな子を中立と公正とで押さえる必要があった。

 The Tribunal、God of Justice。この存在は、みっつの意志が結合したものである。この存在は、秩序と混沌の間のどんな争いでも賢明さと慎重さで鎮められるであろうことを保証する。みっつの精神は、常に問題の側面を見て、適切な判断を下すであろう。

 Solusek Ro、God of the Elements。この存在は、存在の全ての形が対応する存在を持っていることを保証し、宇宙を共に結合した神秘を維持するだろう。

 Prexus、God of the Oceans and Seas。この存在は、生命に必要な水が、同様に彼の領域から豊富な食料を供給することを保証する。彼の別の側面として、世界の中でも急速に成長しない孤立した地域を保証し、そして彼の領域を侵犯する者たちは、神々の意思に押さえつけられるかもしれない。

 Karana、God of Storms。この存在は、大地に水を与えているPrexusの生命を運び、そして求められれば破壊と激怒を引き起こすだろう。

 Brell Serilis、God of Underfoot。惑星の地下に横たわる世界。それらが根本である。

 Bristlebane、God of Frivolity and Theft。この存在の義務は、それぞれの任務が停滞している神々の間で陽気な騒ぎと悪戯を起こすことである。その最中に秘密を集め、そして耳から耳へと秘密を伝えることで、神の一人が他よりも重要でないことを保証する。

 最終的に、これら中立の者たちの間に、素晴らしい中立者を置いた。具体的な影響力をなにひとつ持たず、けれども何もなかった場合彼の道具となるであろう存在を。Veeshan、the great God of Dragons。Dragonは、解答無き問題における鍵となるだろう。その子供たちに力が必要とされた時、それらは渡され、そして賢明さが必要とされると、Veeshanの辛抱強さがそれを見出すであろうことを保証する。

 LightとDarkの神々は再び互いに争い始めた。そして中立者はその間のバランスを保とうと試みた。Veeshanは、巨大な新たな惑星の間を飛翔した。多くのものを発見し、知識を得た。見るべき多くのものがあり、そして多くの異なった世界が宇宙を流転し、そして表面上のそれぞれの存在に気付かれぬまま越えて行った。全ての生命は植物のようであるか、あるいは単純な動物の他にはなにも無かった。全てを見た後Veeshanは、彼女の助け無しではこのままであろうことを悟った。

 Veeshanは、全ての中心に最も近い惑星へと舞い下りた。ここで彼女は子を産み落とし、そして彼女の主の創造を見守るだろう。子供らは、彼女の用心深い支配者の種として産まれるだろう。

 Veeshanは、この世界を神々の言葉で基礎を意味する『Norrath』と名づけた。この大地の上に、Veeshanは農夫が耕地を熊手で掻くように傷をつけた。ここで彼女は自らの子を育てるだろう。彼女は何日もこの世界に横たわり、そして傷をつけた場所に卵を産み落とした。