■水より出でてPaladinへ、或いはFroglokの起源と人間種族
 MarrのPaladin、Glupurp Stoneskipper著

 人間たちの起源と同様に、私の気高き血族の起源に関する知識をお教えしましょう。この話は、Mithaniel Marr御身の住まう所であるthe Hall of Honorへと訪れたNew Tanaanの学者たちにより教えられたものです。私自身は、私の種族の多くの者と同じように、南Antonicaの沼で生まれたMithaniel Marrを信奉するただのPaladinに過ぎません。故に、これらの物語を書くにおいて、私が誉められるべきではないのです。これらのことは、現在、過去、未来における全てのFroglokの名誉のもとにある物語なのですから。

 Norrathのまだ始まりの時代のこと、人間種族の誕生以前にMarrの双子はNorrathの地表へと訪れました。the God of Power、Tarrew Marrの子供たちであるMarrの双子は、定命の者たちの中で優れた者を捜していました。the Gods of NatureはMarrの双子の神聖な目的の無さに戸惑い、the Gods of Influenceは、定命の者たちの中からこのような目的を捜すことを嘲笑しました。神々の中で最も悪意があるInnoruukとCazic-Thuleは、若い双子を堕落させようとしました。それに成功したとすれば、憎悪と恐怖の影響は更に強いものになるでしょう。

 憎悪と悪意のひねくれた神であるInnoruukは、Tarew Marrの娘であるErollisi Marrを闇へと導くために、自らを信仰する定命の者を送り込みました。ですが、父によりErollisiに与えられていた賢明さは、Teir`Dalたちの偽りを見破りました。Erollisiにとって、Teir`Dalの邪悪さはその肉体的なものよりも更に酷く見えたのです。そのため、ErollisiはTeir`Dalの気分が悪くなるような誘いから逃れるために、Tunareの公正なるElfたちの国へと旅立ちました。Erollisiが定命の者たちの不愉快な領域で、暖かさや平和、美しさを発見したのは、初期のElfの王国でのことでした。Erollisiが受け入れ、そのお返しに定命の者によって受け入れられたものがここにはありました──それは、愛でした。

 ErollisiがInnoruukの送った定命の者たちの誘いから逃れている最中、Cazic-Thuleの力が双子の兄弟であるMithaniel Marrを襲いました。蛇の幻影と、あらゆる種類の恐ろしい生物が魔法で召喚され、Cazic-Thuleの定命の信徒たちによって命じられてMithanielの身体と心に襲い掛かりました。けれどもMithanielは定命の者ではなく、その意思は強固でした。Thuleの手先たちは、彼の中に闇の君主への恐怖を植え付けることができませんでした。しかしながら、Cazic-Thuleの創造物たちが最も強く、最も多く住んでいた湿地帯である沼へとMithanielをおびき出すことには成功したのです。Trollの軍隊、Lizardの一族、それに口にすることすらできない恐るべき忘れられし生物に、Mithaniel Marrは襲われました。Mithanielは"恐怖を統べるもの(the Lord of Fear)"の虜囚となりました。

 Mithanielは、Cazic-Thuleにより彼を襲った者たちへと与えられていた魔法の枷で束縛されました。そして、奇怪な拷問具によって容赦なく苛まされました。Mithanielの父親へと昼夜を問わず容赦と救済とが祈られましたが、その返答はありませんでした。Mithanielは苦悩とCazic-Thuleの闇の魔法によって弱り疲れ、深い眠りへと落ちました。

 Terris-Thuleが、起きている間捕獲者たちの手によって行われ耐えていたよりも更に恐ろしい出来事の悪夢をまどろむ神にもたらそうと訪れたのは、その時でした。しかしながら、TerrisがMithanielを夢によって騙し、その身体から"生命の贈物(the Gift of Life)"を盗むまでは、悪夢を与えることをCazic-Thuleは認めませんでした。そのためTerrisは父親に命令されたことを充分に果たしてから、悪夢を与え始めました。

 Cazic-Thuleの見捨てられし子供であり、Terrisの兄弟であるMorell-Thuleは、まどろむ神に対するTerrisの行いに気付きました。何故なら、Terrisが"悪夢の女王(the Queen of Nightmares)"であるのに対し、Morellは"夢の王(the King of Dreams)"だからです。理由はわかりませんが、多分、彼の邪悪な父親と姉妹の計画を未然に防ぐため、Morell-ThuleはまどろむMithanielから奪われた"生命の贈物"を盗み、自らの領界であるDemi-Plane of Dreamesへと逃げたのです。ですが、Morellの怒れる家族が間もなく彼の根拠地へと訪れようとしていることを知ると、Mithanielの"生命の贈物"を分割し、その半分を彼の父Cazicの神聖な土地である沼地に振り撒きました。

 Mithanielの"生命の贈物"がNorrathの沼へと落ちた場所で、最初のFroglokの幼生たちは産まれました。最初の子供たちは、私たちの種族の中でも最も厳しい試練を受けました。何故なら、その時までの沼地は、闇の神々の破壊的な生物だけの土地だったからです。ですが、幸いなことに、"生命の贈物"は、私たちの最初の先祖に、勇敢さと、Mithaniel Marrが定命の者たちの領域で彼の身に降りかかった試練の間に示していた勇気とを与えてくれていたのです。

 沼で私たちの種族の最初の種が撒かれている間に、"夢を統べるもの(the Lord of Dreams)"Morell-Thuleは、Mithaniel Marrの双子の姉妹、Erollisi Marrの元を訪れました。"愛の女神(the Goddess of Love)"が麗しきElfの国でこの上なく幸福な眠りについていると、Morell-Thuleは彼女の夢の中へと入り、Mithanielの"生命の贈物"の半分を与えました。程なくして、麗しきElfたちの元へと訪れていた神々の娘が子供を身ごもったことが明らかになりました。そして、Elfたちは、彼女を隔離してお世話ができ、護ることができる場所であるAntonicaの凍てついた北方の無人の地域へと彼女を連れて行きました。

 ElfたちがErollisiの後背を護っている間に、私たちの最初の先祖は幼生から大人のFroglokへと成長しました。Morell-Thuleは、私たちの先祖へとMithaniel Marrが束縛されていること、そしてTarrewの勇敢な息子を解放する方法を夢として贈りました。そのため最初のFroglokたちはNorrathの全ての沼から集うと、"夢を統べるもの"の幻視の導きによってMithaniel Marrが束縛された場所へと向かって立ち上がり、Cazic-Thuleの下僕たちと勇敢に戦いました。

 数え切れない年月が過ぎ、Froglokたちは勝利と敗北とを刻みながらNorrathの沼沢地帯の邪悪な者たちと戦いました。悲しいことに、Cazic-Thuleは太古よりの強力な神です。そして、彼の下僕たちは様々であり数多かったのです。先祖のFroglokたちがいくら試みても、束縛された神へと到達することはできませんでした。ですが、先祖たちは絶望的な戦いにも関わらず、その行為を放棄したりはしませんでした。

 それから暫く後に、小規模の軍団がMithaniel Marrが束縛された場所である沼の境界に到着しました。それはFroglokたちの軍ではなく、Erollisi Marrの子供たち、北方人たちの軍でした。彼らもまた、自らの父たる神が束縛されているという幻視と夢とに導かれていました。自分たちの父たる存在の束縛の報いを求めて、北方人たちはFroglokの軍隊と共に戦いました。そして、Froglokと人間種族との連合は、Mithaniel Marrを解放することに成功しました。Cazic-Thuleの下僕と"恐怖の具現者(the Avatar of Fear)"は、Marrの子供たちの団結と勇気の前に破れたのです。

 Mithaniel Marrが勇気について、死をも恐れぬという点に気付いたのは、先祖のFroglokと北方人たちの勇敢であり無私の行動からでした。そして、Morell-Thuleが、幻視と夢とで私たちの先祖へと起源の真実を教えた高潔さから、Mithanielは勇気と同様に、誠実さの美徳を擁護することを決めたのです。

 これが、Lord Mithaniel Marr、私の仲間であるFroglokの起源、そして私たちと同一の信仰を持つ人間種族についての物語です。人間種族の多くと同じく、私たちの種族の多くもまた先祖の美徳から離れてしまったことは残念なことです。Mithaniel Marrが、私たち忠実なる者たちを祝福しますように。そして邪悪の一群に堕ちた血族をその力で救いますように。