遥かな昔、偉大なる水晶竜VeeshanはNorrathに爪痕を刻み、この惑星を自らのものであると宣言して子供たちを産み落とした。間もなくの後、他の神々が各々の創造物が世界を分割するという協定を結んだ。他の神々がそれぞれ自身のひねくれた方法で混沌から秩序を創造し始めている間、Luclinは表に出ることなくそれを見守っていた。彼女は、神々が些細な抗争と、様々な力を使おうという企みを傍観していた。

　LuclinはNorrathを見捨て、不毛であり既に忘れ去られていた、岩の円環を持つ衛星を自らのものとして要求した。競合することもなく、彼女は自らの意思と魔法の赴くままに、現在では彼女の名の付けられている月に生命を創造した。the Moon of Luclinは、それ以来the Mistress of Shadowsの創造物の他に、自らの意思か、あるいは強制的ななにかによって、Norrathの幾つかの種族の故郷となった。

　蛇種族として知られるShissar──その昔蜥蜴種族Iksarを奴隷とした主──は、神々の手による絶滅を避けるため、Luclinへと逃れた。Shissarの傲慢な不忠実や冒涜的な自負心は、彼らの神を怒らせ神罰を招いた──それは、恐ろしい伝染病、the Green Mistであった。Shisar種族は古代の魔法によって、Luclinの地表へと密かに脱出した。そしてそこで、彼らは自らの居住地を守るため周囲に"the Grey"──真空のドームを作り出した。何世紀もの間、Norrathから去ったそれらは、既に絶滅したと考えられた。

　Combine Empire、かつてNorrathの殆ど全土を支配した強大な帝国は、帝国内の対立がそれらの大部分を破壊した後、Luclinへと逃れた。帝国の創始者であるTsaf Kattaは、毒と暗殺によって倒れた。それは、平和と調和を享受していた者たちに衝撃を与え、やむを得ず新たな魔法を創造すると、Luclinへと旅立った。帝国の信奉者たちのすぐ背後に存在した敵は、自分たちの力と影響力を維持することを望んでいた。双方の派閥の指導者と強力な人物たちが月へと移住し、再建を行おうとした。かつての強大なる帝国は、分割され以前の力の面影としてLuclinにて存在している。

　Vah Shir、かつてNorrath上の猫種族の最も巨大な一族の一員は、何世紀もの昔Odusにて暮らし繁栄していた。自らを"High Men"と名乗るErudの信奉者たちが己の居留地を設立しようとたどり着いた。そして互いに譲歩することをしなかったふたつの集団の間に対立が起こった。ErudinのHigh Menと都市から追い出されたNecromancerの異端者集団の間に、Odusにおける内戦が起こった時Kerranたちの小さい村が巻き添えになったと信じられている。現在the Holeとして知られている裂け目を作り出した巨大な武器の実験の結果、Norrathの表面と共にLuclinへと飛ばされた。

　Luclinの月は、永遠に光に包まれた領域と、闇に覆われた領域とが存在し、完璧なバランスの元に存在している。ふたつの領域の間の黄昏に近づいた時、最も早くこの地に到達した者たちは不気味な、不安な存在を感じ取った。月で生まれたのではない者たちが、これらの危険な地域を避けることを学び取った。皮肉にも、善良であり正直な者たちは闇の側に住み、悪徳の者たちは光の側に住むことを選択したといわれる。