Velious史

 史に記されるよりも遥か前の時代、偉大なる"the Crystalline Dragon"Veeshanは、Velious大陸を自らの鉤爪で打ち据え、Norrathに主権を主張し、その大陸を住処として子供を産み落としたとされる。同じく伝説は伝える──Veeshanは自らの吐息を以ってVelious大陸を永久氷土に包み、嵐と死の流氷とで大陸を隔絶したと。

 これが"the Age of Scale"の最初の記録である。

 "the Age of Scale"は知られざる千年紀を経た。僅かばかりの記録の断片から、この時代に竜の一族が魔法とその使い方を修得したと知られている。更に、力や影響力を持つ竜が集まり、今日に至るまでVeliousの竜を統括する世襲制の評議会である"the Claws of Veeshan"を組織した。Norrathに住むものの殆どがこの時代を知らず、敢えて話にすらのせないだろう。"the Age of Scale"、神々によるNorrathの他の種族の創造により終焉となった。Veeshanの傲慢な子供たちの多くが、これら新たに創造された小さな種族を支配することができると知って、Veliousから去って行った。この分派は"the Ring of Scale"として知られている。Veliousに残った竜たちは、外界の動向や世俗に対して興味を示さず、彼らの女神に対する敬意と魔法の勉強とで千年という年月を過ごし、満足していた。

 "the Elder Age"、Ogre、Giant、Goblinは、Norrathの大半を征服し、"the Plane of Earth"へと侵攻を始めた。それに対し、RatheはRallos Zekの創造物全てに対して、強大な呪詛の形で罰を与えた。現在Everfrostとして知られている場所は、元はGiantの故国である肥沃な地であったが、呪いにより氷に閉ざされた結果であった。呪詛の中心では、Giantは永劫の時を過ごす生きた氷へと変えられた。今迄小さな生物がそうであったように、逆にGiantたちが彼らの攻撃の対象となった。呪詛から逃れた少数のGiantはTunariaから他の大陸へと逃げ出した。それらを見逃さず、"the Orceanlord"Prexusは嵐を引き起こし、Everfrostよりもthe Ratheの呪詛の影響が小さかった大陸であるTunariaやKunarkへと多くの船を引き戻した。最も強力なGiantの多くは、その力を以って嵐から逃れ、Veliousの氷で覆われた大陸に、氷の障壁を突破して上陸した。

 Kromrif族は東の荒野で遊牧民としての生活を確立し、結局Coldainとの対立状態となった。Kromzek族はRallos Zekの創造物の中で尤も力持つ者であった。彼は放浪生活に満足せず、偉大なる"the Great Scar of Veeshan"にKael Drakkalという名の強大な要塞都市を建設した。"the Claws of Veeshan"は彼らの神聖な土地に侵入したKromzek族に対して怒りを覚えた。そして住むに適さない他の全ての場所でも、Norrathの最強のふたつの種族は対立を始めた。

 時が経ち、GiantはVeliousの東の地域を支配下においていた。Coldain・Ice Dwarfの船が氷の障壁によって破壊されたのは、この間であった。岸に辿りつき生き残った少数の者たちは、"the Claws of Veeshan"の警告から逃れたものの、恐ろしいKromrif族との対立に疲れきっていた。ColdainはGiantから逃げ、山の中に隠された地下の要塞Thurgadinを建設した。この時から、Norrathのどんな種族も氷の障壁に近づこうとせず、Veliousは発見されることなく時は過ぎていった。

 今世、Ak'anonのGnomeは、荒れた海を渡り流氷を破砕する能力を持つ船を創り出した。その処女航海で、Gnomeの砕氷船は首尾よく氷の障壁を突破し、"the Icy Fingers"として知られる島を発見した。最も大きい島の上に、クルーは霧の中にあるアーチを描いた古代の巨大な橋を見出した。そして遂に氷結大陸Veliousの先端を視界にとららえたのだ!

 報奨金の為に、Gnomeとその同盟者はこの凍りついた知られざる土地にNorrathを渡る勇敢な冒険者を供ずるだろう。あなたはこの死と隣り合わせの近づき難い氷の大陸を冒険する最初の一人であるかもしれない。危険な洞窟、古代の神殿を初めて踏みしめるのかもしれない。もしあなたが真実勇敢なものならば、敢えて"the Great Scar of Veeshan"に入るのも良いかもしれない。

 あなたは今、我らの世界にいるのだ!